代表挨拶

 少子高齢化が急速に進む中、高齢者の生活や医療を従来の“入院や特養への長期入所”ありきで支えることは、資金、施設・設備いずれの面でも限界がくることが明らかになっております。

 一方、国民の多くは、高齢になっても、できれば住み慣れた地域で安心して暮らし続けたいという希望を持っています。そこで、国は、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域(在宅)で自分らしい暮らしを最期まで続けられるよう医療や介護の専門職、地域住民、行政が連携し、協力しながら高齢者の生活を地域ぐるみで支える「地域包括ケアシステム」を構築することを提唱し、具体的な取組を進めています。

 大分市でも少子高齢化の傾向は例外ではありません。そこで大分市連合医師会は、「地域包括ケアシステム」の一翼を担うべく、2018年10月に在宅医療・介護サービスを切れ目なく提供する体制づくりを行政と協働で進めていくための拠点として「大分市在宅医療・介護連携支援センター」を開設しました。

 市民の皆様が安心して在宅医療を選択し、長く続けていくためには、医療・介護の連携や多職種の協働による持続可能な高齢者の支援体制づくり、そして、これらを支えるための医療・介護職のサポートが極めて重要であると考えます。

 当センターは、これらの課題解決のために一意専心で取り組む所存ですので、一人でも多くの関係者の皆様のご協力を心よりお願い申し上げます。

大分市連合医師会
在宅医療部代表 木下昭生

大分市連合医師会
在宅医療部代表 木下昭生

大分市在宅医療・介護連携支援センターについて

 「大分市在宅医療・介護連携支援センター」は、高齢者が医療や介護が必要となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、在宅医療と介護を一体的に提供し、医療機関と介護事業所等の関係者の連携を推進するための拠点、医療と介護を結びつけるコーディネート機関として平成30年10月1日に一般社団法人大分市連合医師会が開設しました。

 当センターでは、大分市から大分市連合医師会が受託した「大分市在宅医療・介護連携推進事業」(介護保険法に規定する地域支援事業のうち、同法第115条の45第2項第4号の厚生労働省令で定める事業)を実施しています。 

活動内容

㋐ 地域の医療・介護の資源の把握

地域の医療機関、介護事業所等の住所、連絡先、機能等を把握し、医療・介護関係者や市民の方に
提供又は公開できるよう、その調査や一覧リスト等の作成を行います。

→ 医療と介護の資源情報(資源情報・医療依存度の高い方の施設受入情報)

㋑ 在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討

在宅医療・介護の連携を進める上での課題を抽出し解決策等を検討するため、医療・介護関係者等が参加できる「地域連携検討会」を地域包括支援センターの担当圏域ごと又は合同で開催しています。参加者の意見交換等を通じた相互理解や顔の見える関係、フラットな関係づくりも目指しています。

→ 地域連携検討会

㋒ 切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進

地域の医療・介護関係者の協力を得ながら、切れ目なく在宅医療と介護が一体的に提供される体制の構築を目指した取組を行います。
医師、医療機関相互の連携強化に向け、「大分市医師ネットワーク会議」として、世話人会、地区会議、専門部会及び在宅医療講演会を開催します。

→ 医師ネットワーク会議

㋓ 医療・介護関係者の情報共有の支援

医療・介護関係者が、患者や利用者の心身の状態や希望する治療等、相互の連携に必要な情報を共有するツールの整備に向けた支援、検討を行います。
医師と介護支援専門員又は地域包括支援センターの職員とが、介護保険サービスの利用者について、必要な情報を共有し相互の連携が円滑に行われるよう統一様式を作成しました。

→ 医師と介護支援専門員等との連絡票

㋔ 在宅医療・介護連携に関する相談支援

地域の在宅医療と介護の連携を支援する相談窓口の運営を行い、医療・介護に携わる専門職等や市民からの、在宅医療や介護保険サービスに関する相談を、電話やメール等で受け付けます。

→ お問い合わせ

㋕ 医療・介護関係者の研修

在宅医療・介護に関する知識・技術の向上と地域の医療・介護関係者等の連携を進めるため、多職種で研修会を開催します。

→ 研修会

㋖ 地域住民への普及啓発

在宅医療・介護について広く地域住民に知っていただけるよう、在宅医療・介護に関する講演会の開催やチラシ・パンフレットの作成、配布、地域の高齢者サロン等が開催する出前講座等への講師派遣等を行います。

→ 出前講座・市民公開講座

その他 → ポータブルエコー貸出

在宅療養者の検査機関への移動に係る体力的、精神的負担の軽減や病気の早期発見、治療などに活用できるよう、ポータブルエコーの貸出を行います。

◆ 大分市在宅医療・介護連携会議

大分市では、在宅医療・介護の連携を進めるため、市の担当部署の職員や各職能団体の代表者等で組織する「大分市在宅医療・介護連携会議」と、それぞれの実務担当者で組織する「作業部会」を設け、それぞれの取組状況の共有や施策の検討を行っています。

アクセスマップ(Google Map)

大分市在宅医療・介護連携支援センター
所在地 大分市大字荏隈字庄の原1790番地1(庄の原クリニック2F)